ソーラーパネル、断熱、ヒートポンプ、EV充電器などの連邦税控除は、2025年成立の税制改正で予定より早く終わりました。
2026年の今、何が終わり、何が使えるのか。2025年に工事をした人の修正申告の可能性も含めて整理します。
この記事のポイント
- 25C・25Dは2025年末、30Cは2026年6月30日の設置分で終了
- 2025年の工事で控除を申請し忘れたら修正申告を検討する
- 今は州・電力会社のリベートとWAPを探す
1. ソーラーパネル(25D):30%の税控除は2025年末の設置分で終了
- 2025年12月31日までに設置が完了したシステムは、設置費の30%が税額控除の対象(Form 5695 Part II)。2025年分の申告で申請し忘れた場合は、修正申告(Form 1040-X)を検討する。
- 設置費用の目安は$15,000〜$30,000。2026年以降は連邦控除がないため、電気代の節約額と州・電力会社のインセンティブだけで回収期間を計算し直す。ネットメタリング(売電)の条件も州・電力会社で確認する。
- リースやPPA契約では、設備の所有者は設置業者になる。連邦控除の終了後は、リース料や売電条件を含めた総額で購入と比較する。
- 25Dの終了は、2025年7月に成立したOne Big Beautiful Bill Actによるもの。インフレ抑制法(IRA)で予定されていた2032年までの控除はなくなった。
2. 断熱材・エアシーリング(25C):30%の税控除は2025年末で終了
- 2025年12月31日までに設置した認定製品の材料費は、30%(年間上限$1,200)の控除対象だった。2025年分を申請し忘れた場合は修正申告を検討する。
- 2026年以降は連邦控除がないため、州・電力会社のリベートや、低所得世帯向けのWeatherization Assistance Program(WAP)を確認する(州別の制度はDSIRE:dsireusa.orgで検索できる)。
- DIYで施工すれば材料費だけで済むため、控除がなくても費用対効果は高い。まずエアシーリングと屋根裏断熱から始める。
3. 省エネ窓・ドア(25C):控除は2025年末で終了。交換は費用対効果を慎重に
- ENERGY STAR認定の窓・ドアは、2025年末までの設置分に限り、税控除(窓は年$600、ドアは年$500まで)の対象だった。
- 2026年以降は控除がないため、窓の交換は回収期間が長くなりやすい。州・電力会社のリベートがあるかを先に確認する。
- 窓交換のROIは気候帯・既存窓の状態で大きく異なる:温暖地で既に二重窓の場合の最悪ケースでは回収に30〜50年以上かかるケースがある。寒冷地(ミネソタ・ウィスコンシン等)で単板ガラスからの交換は暖房費削減効果が大きく回収8〜15年のケースも多い。設置前に必ずエネルギー診断(Home Energy Audit)を受けてROIを試算する。
4. ヒートポンプ(25C):控除は2025年末で終了。燃料の切り替え効果は大きい
- エアソースヒートポンプは、2025年末までの設置分に限り30%(上限$2,000)の控除対象だった。地熱ヒートポンプは25D(上限なし)の対象で、同じく2025年末で終了した。
- 本体+設置費用は$4,000〜$8,000(既存ダクトあり)または$10,000〜$20,000(ダクトレス)。灯油・プロパン暖房からの切り替えで年$1,500〜$3,000下がるケースがあり、電気ヒーターからでも年$500〜$1,000の節約事例がある。
- 気候帯と効率性の注意点:最新型コールドクライメートヒートポンプ(CC-ASHP)は氷点下15〜20°Fでも効率的に作動できる製品が普及中。ただし気候が極寒(マイナス20°F以下)の地域では補助熱源が必要になる場合があり、設置前に地域の暖房日数(HDD)と電気料金を考慮した試算が必要。
5. EVチャージャー(30C):控除は2026年6月30日の設置分で終了
- 自宅のLevel 2充電器の設置費は30%(上限$1,000)の控除対象だったが、2026年6月30日までに設置した分で終了した。対象期間内に設置した場合は、Form 8911で申請する。
- 30Cには対象地域(低所得地域や非都市部の国勢調査区)の条件がある。申請する前に、自宅が対象地域に入っているかを確認する。
- 本体$400〜$700+電気工事$300〜$1,000が目安。電力会社の充電器リベートや、EV向けの時間帯別料金プランを確認する。自宅充電なら月$30〜$60程度。
6. 連邦控除が終わった今は、州・電力会社のインセンティブを探す
- One Big Beautiful Bill Actにより、25C・25Dは2025年12月31日の設置分、30Cは2026年6月30日の設置分で終了した。2026年後半以降の工事は連邦税控除の対象外。
- 2025年に工事をしたのに控除を申請していない場合は、修正申告(Form 1040-X)で取り戻せる可能性がある。修正申告は原則として元の申告期限から3年以内に行う。
- 州・ユーティリティレベルのインセンティブは継続の可能性:連邦控除が廃止されても、一部の州(カリフォルニア・ニューヨーク・マサチューセッツ等)は独自の税控除・リベートプログラムを継続している場合がある。DSIREデータベース(dsireusa.org)で州別プログラムを確認する。
まとめ
省エネ改修の連邦税控除の終了と、今使える補助で押さえておきたいのは、次の3つです。
- 25C・25Dは2025年末、30Cは2026年6月30日の設置分で終了
- 2025年の工事で控除を申請し忘れたら修正申告を検討する
- 今は州・電力会社のリベートとWAPを探す
全部を一度にやる必要はありません。まずは自分に一番効きそうな1つから始めてみてください。
※ 本記事の数値は2026年時点の公開情報(IRS・SSA・BLS・各社サイトなど)にもとづく目安です。税制・金利・特典内容は変わることがあるため、最新情報は各公式サイトで確認してください。税務・投資・法律・医療に関する判断は、必要に応じて専門家に相談してください。