タックスロスハーベスティングは、含み損のある投資を売って損失を確定させ、利益や所得と相殺して税金を減らす方法です。
課税口座でだけ使える方法で、Wash Sale Ruleなどの注意点があります。
この記事のポイント
- 確定した損失は、キャピタルゲインと相殺できる
- 相殺しきれない損失は年$3,000まで所得から控除でき、残りは繰り越せる
- 売却の前後30日以内に同じ銘柄を買わない(Wash Sale Rule)
1. 含み損のある資産を売却して確定損失を作る
- 対象:課税口座(Taxable Brokerage Account)のみ。401(k)・IRAなどの税優遇口座では適用不可。
- 確定損失はキャピタルゲインと相殺でき、当年の税負担を削減できる(例:$5,000の利益に$5,000の損失→課税ゼロ)。
- 売却後は代替資産(VTI売却後にSPY等類似ETFを購入)に即日乗り換えることで市場への露出を維持する。
- 市場が大きく下落した年(2022年など-20%超)にまとめて実施することで大きな節税効果が得られる。
2. 同じ年のキャピタルゲインと相殺して税負担を削減
- 長期キャピタルゲイン税率(保有1年超):0%・15%・20%(収入による)。最高23.8%(NIIT加算後)。
- 短期キャピタルゲイン(1年以内)は通常所得と同税率。損失相殺の優先順位は短期ゲインへが最も有利。
- 具体例:単身・課税所得$100,000・長期ゲイン税率15%の場合、$10,000の損失計上で$1,500の節税が可能。
3. 年間最大$3,000の通常所得との相殺も可能
- ゲインを超える損失は年$3,000まで通常所得から控除可能。残りは翌年以降に繰り越し(Capital Loss Carryforward)。
- 繰り越し損失に上限はなく将来年度に使えるため、大きな含み損を確定させても長期的な節税価値がある。
- 通常所得との相殺で節税額の試算例:$3,000控除×税率22%で$660の節税。低所得年には効果が限定的。
4. 売却後30日以内に同一(または実質同一)の資産を再購入しない(Wash Sale Rule)
- 規則の範囲:売却の30日前〜30日後(計61日間)に同一または「実質的に同一の」証券を購入すると損失否認(IRS Publication 550)。
- 「実質的に同一」の判断:VOO売却→VTI購入は多くの専門家が安全視するが、IRS未確定のグレーゾーンである。
- 安全な代替案:S&P500 ETFを売却→全米市場・全世界株式ETFに乗り換える方法が一般的に使われる。
- 配偶者のIRA・共同口座での同一銘柄購入もWash Sale違反の可能性があるため、家族全体の取引を一元管理する。
5. ロボアドバイザー(Wealthfront・Betterment)が自動で行ってくれる
- 費用対効果:管理費は年0.25%(残高$100,000で年$250)。節税額が管理費を上回るかは残高・課税所得・市場環境に依存する。
- Wealthfrontは残高$100,000以上でTLH節税効果が費用を上回ると主張するが、効果は市場環境依存であることを認識する。
- DIYの代替:Fidelity・Schwabなど手数料無料の課税口座で、年1〜2回、自分で実施する方法もある。
- 確定申告時に1099-B・Form 8949でロスハーベスティングの損失を正確に申告する(税務ソフトへの正確な入力が必要)。
まとめ
タックスロスハーベスティングで押さえておきたいのは、次の3つです。
- 確定した損失は、キャピタルゲインと相殺できる
- 相殺しきれない損失は年$3,000まで所得から控除でき、残りは繰り越せる
- 売却の前後30日以内に同じ銘柄を買わない(Wash Sale Rule)
全部を一度にやる必要はありません。まずは自分に一番効きそうな1つから始めてみてください。
※ 本記事の数値は2026年時点の公開情報(IRS・SSA・BLS・各社サイトなど)にもとづく目安です。税制・金利・特典内容は変わることがあるため、最新情報は各公式サイトで確認してください。税務・投資・法律・医療に関する判断は、必要に応じて専門家に相談してください。