ロサンゼルス(LAX)と東京・羽田(HND)の往復は、在米日本人がいちばんよく使う路線のひとつです。クレジットカードのポイントやマイルで取れれば大きな節約になりますが、どのマイルで予約するかによって、必要なマイル数も、現金で払う額も大きく変わります。
2026年は特に注意が必要です。ANAとJALの燃油サーチャージが上がり、ANAの特典航空券をアメリカ発で取ると、燃油サーチャージだけで1区間$352(往復で約$700)がかかります(2026年9月1日〜10月31日発券分)。マイルを使っても数百ドルの現金がかかるなら、節約の効果は小さくなります。
この記事では、エコノミーの往復に絞って、どのマイルで取るのがいちばん得か、どの順番で動けばいいかをまとめます。
- 最初に現金の運賃を調べる。1マイルあたりの価値が1セントを下回るなら、現金で買う方が得
- エコノミーの第一候補はアメリカン航空のマイルでJAL便を取る方法。片道35,000マイルで、燃油サーチャージがかからない
- 次の候補はユナイテッド航空のマイルでANA便を取る方法。こちらもANAの燃油サーチャージがかからない
- ANAのマイル(ローシーズン往復40,000マイル)は必要なマイルが最も少ない。ただし2026年9〜10月の発券ではアメリカ発の燃油サーチャージが往復で約$700かかる
- ポイントの移行は空席を確認してから。移行は取り消せない
1. 予約できるマイルと必要マイル数の比較
LAXと羽田の間は、ANA・JAL・デルタ航空・ユナイテッド航空・アメリカン航空が直行便を飛ばしています。特典航空券は、飛行機を運航する会社のマイルだけでなく、同じ航空連合の提携先のマイルでも予約できます。エコノミー往復で比べると、次のようになります。
| 予約に使うマイル | 乗る便 | エコノミー往復の必要数 | 燃油サーチャージ | 主な移行元のポイント |
|---|---|---|---|---|
| アメリカン航空(AAdvantage) | JAL | 70,000マイル(片道35,000×2) | かからない | Citi(Strata Premier/Elite)、Bilt、AAの提携カード |
| ユナイテッド航空(MileagePlus) | ANA | 日によって変わる(予約画面で確認) | かからない | Chase、Bilt、ユナイテッドの提携カード |
| ANA(ANAマイレージクラブ) | ANA | ロー40,000/レギュラー50,000/ハイ72,000マイル | かかる(アメリカ発は1区間$352) | Amex、Marriott(3:1) |
| ヴァージン アトランティック(Flying Club) | ANA | 60,000ポイント(西海岸発、片道30,000×2) | かかる | Amex、Chase、Citi、Capital One、Bilt |
| エア・カナダ(Aeroplan) | ANA | 100,000ポイント(片道50,000×2)+提携便の予約手数料 | かからない | Amex、Chase、Capital One、Bilt |
| デルタ航空(SkyMiles) | デルタ | 日によって変わる | — | Amex、デルタの提携カード |
※ ANAは公式の特典チャート(2025年6月24日以降の発券)、Aeroplanは公式チャートの「北米⇔太平洋・5,001〜7,500マイル・その他の提携会社」の欄の数値です(LAX⇔羽田は約5,450マイル)。アメリカン航空とヴァージン アトランティックの数値は、複数の専門メディアの情報で、公式ページでは確認できていません。
必要なマイル数だけを見るとANAのローシーズン(往復40,000マイル)が最も少なく済みます。ただ、アメリカ発で取ると燃油サーチャージが往復で約$700かかります。マイル数と現金の両方で比べると、エコノミーではアメリカン航空のマイルでJAL便を取る方法が、いちばん安定して得になりやすいというのがこの記事の結論です。
2. まず現金の運賃と比べる
エコノミーは現金の運賃が比較的安いので、ポイントを使うと損になることもあります。最初にGoogle Flightsで同じ日程の往復運賃を調べ、次の式で「1マイルあたりの価値」を計算します。
1マイルあたりの価値(セント)=(現金の運賃 − 特典航空券で払う現金)÷ 必要マイル数 × 100
たとえば、現金の運賃が往復$900で、特典航空券で払う税金などが$100だったとします(どちらも説明のための仮の数字です)。
| ルート | 必要マイル | 現金で払う額(仮) | 1マイルあたりの価値 |
|---|---|---|---|
| アメリカン航空マイル → JAL便 | 70,000 | $100 | 約1.1セント |
| ANAマイル → ANA便(ローシーズン) | 40,000 | $100+燃油$704=$804 | 約0.2セント |
クレジットカードのポイントは、多くの場合1ポイント=1セント程度で現金化できます。計算した価値が1セントを下回るなら、ポイントは使わずに現金で買う方が得です。現金で買えば、その航空券にもポイントやマイルが貯まります。
逆に、年末年始や夏休みなど現金の運賃が高い時期ほど、ポイントを使う価値は上がります。
3. 手持ちのポイント別・おすすめのルート
アメリカのクレジットカードのポイントは、航空会社のマイルに移して使います。移せる先はカード会社ごとに違うため、手持ちのポイントから逆算して選びます。
| 手持ちのポイント | 第一候補 | 次の候補 |
|---|---|---|
| Citi ThankYou(Strata Premier/Elite) | アメリカン航空に1:1で移し、JAL便 | ヴァージン アトランティックに移し、ANA便 |
| Bilt | アメリカン航空に1:1で移し、JAL便 | ユナイテッド航空に移し、ANA便 |
| Chase Ultimate Rewards | ユナイテッド航空に1:1で移し、ANA便 | ヴァージン アトランティックに移し、ANA便 |
| Amex Membership Rewards | ANAに1:1で移す(ローシーズンのみ検討) | デルタ航空に移し、デルタ便の安い日を探す |
| Capital One | ヴァージン アトランティックかAeroplanに移し、ANA便 | JALマイレージバンクに移す(移行率は1,000→750とされる) |
| Marriott Bonvoy | ANAかJALに3:1で移す(60,000ポイントごとに5,000マイルのボーナス) | — |
※ CitiのポイントをAAに移せるのは、年会費のかかるStrata PremierとStrata Eliteだけとされています。年会費のないCitiのカードでは移せません。
ポイントをまだ持っていない場合は、航空会社の提携カードの入会ボーナスで貯める方法もあります。アメリカン航空ならCitiのAAdvantageカード、ユナイテッド航空ならChaseのUnited Explorerカードが代表的です。入会ボーナスの額は月ごとに変わるため、申し込む前に公式サイトで確認してください。カードの選び方はクレジットカードのポイントで旅行費を実質無料にする方法にまとめています。
カード会社には、入会ボーナスを受け取れる条件があります。Chaseは過去24か月に5枚以上カードを作っていると審査に通りにくく(いわゆる5/24ルール)、AmexやCitiのStrataシリーズは、同じカードの入会ボーナスを一生に1回しか受け取れない決まりです。毎月全額を返済できる範囲で使うことが大前提です。
4. ANAのシーズンと日本の繁忙期
ANAのマイルで取る場合は、出発日のシーズンで必要マイル数が変わります。往路と復路のシーズンが違うときは、それぞれのシーズンの往復のマイル数の半分ずつを足します。日本と北米の間のシーズンは次のとおりです(ANA公式)。
| 年 | ロー(往復40,000) | ハイ(往復72,000) |
|---|---|---|
| 2026年 | 1月6日〜2月28日、4月1日〜4月28日 | 1月1日〜3日、4月29日〜5月9日、7月16日〜8月23日、12月19日〜31日 |
| 2027年 | 1月6日〜2月28日 | 1月1日〜3日、4月29日〜5月9日、7月16日〜8月22日、12月20日〜31日 |
※ 上の表にない期間はレギュラー(往復50,000マイル)です。2027年は4月がレギュラーになり、ローシーズンは1〜2月だけです。ANAは期間を変更することがあるとしています。
ハイシーズンは日本の年末年始・ゴールデンウィーク・夏休みと重なります。これらの時期は特典航空券の空席も少なくなります。休みを動かせる人は、1〜2月に帰国するとマイルも空席も有利です。
5. 空席の探し方と予約のタイミング
空席を探すツール
- United.com:ログインしなくても、ANA便を含むスターアライアンスの特典の空席を検索できる
- ANAの公式サイト:特典の空席を検索するにはANAマイレージクラブへのログインが必要(会員登録は無料)
- aa.com:アメリカン航空のマイルで取れるJAL便の空席を検索できる
- seats.aero:複数のマイルの空席をまとめて検索できる。無料版は60日先まで、有料版(月$9.99)は1年先まで
- Roame・point.me:同じく複数のマイルを横断して検索できる。無料で使える範囲がある
おすすめの流れは、「横断検索ツールで空いている日の見当をつける → 予約するマイルの公式サイトで空席と必要マイル数を確認する → ポイントを移して予約する」の順です。
予約できるようになる日
- ANAのマイル:出発の355日前から(日本時間の午前9時)
- JALのマイル:出発の360日前からとされる
- ユナイテッド航空のマイル:出発の337日前から。ANA便でもユナイテッド航空の予約開始日に合わせることになる
エコノミーはビジネスクラスほど早く埋まらないものの、年末年始や夏休みは予約開始日に動くのが確実です。出発が近づいてから空席が出ることもあるため、希望日が埋まっていてもこまめに検索し直しましょう。
行きと帰りを別々のマイルで取る方法もあります。たとえば行きはアメリカン航空のマイルでJAL便、帰りはユナイテッド航空のマイルでANA便、というように、空いている便に合わせて片道ずつ組み合わせられます。
6. ポイント移行の注意点
- 移行は取り消せない:航空会社のマイルに移したポイントは、カードのポイントに戻せません。空席を確認してから移します
- すぐ反映されないことがある:AmexからANAへの移行は、反映まで数日かかるとされます。2026年2月28日〜3月2日には、システムの問題でAmexからANAへの移行が一時止まりました
- 名義をそろえる:ANAは、ANAマイレージクラブの会員名とAmexの会員名が一致している必要があるとしています
- 移行ボーナスを待つ:カード会社はときどき、特定の航空会社への移行で20〜30%のボーナスを付けます。急がないなら、ボーナスの時期に移すとマイル数を減らせます
予約の前に航空会社の会員登録(無料)を済ませ、カードのポイント画面で会員番号を登録しておくと、空席を見つけたときにすぐ動けます。
7. 燃油サーチャージと税金
特典航空券でも、税金や空港の使用料は現金で払います。さらに、予約するマイルによっては航空会社の燃油サーチャージもかかります。
| 発券時期 | アメリカ発(1区間) | 日本発(1区間) |
|---|---|---|
| 2026年5月1日〜6月30日 | $386 | 56,000円 |
| 2026年7月1日〜8月31日 | $485 | 65,000円 |
| 2026年9月1日〜10月31日 | $352 | 55,000円 |
※ ANAの日本⇔北米(ハワイを除く)の燃油サーチャージ。ANAマイレージクラブの特典航空券にもかかります(ANA公式)。金額は発券日で決まり、2か月ごとに見直されます。
燃油サーチャージは燃料の価格しだいで上がりも下がりもします。ANAのマイルで取るなら、サーチャージが下がった時期に発券すると現金の負担を減らせます。アメリカン航空のマイルでJAL便を取る場合と、ユナイテッド航空やAeroplanのマイルでANA便を取る場合は、燃油サーチャージがかからないとされています。
このほか、日本の出国税(国際観光旅客税)は、2026年7月1日から1,000円から3,000円に上がりました。特典航空券でもかかります。最終的に払う金額は、予約の最後の画面で必ず確認してください。
8. 今回確認できなかったこと
- ユナイテッド航空のマイルでANA便を取るときの、LAX⇔羽田の具体的な必要マイル数(日によって変わるため)
- アラスカ航空系のAtmos RewardsでJAL便を取るときの通常の必要ポイント数(情報源によって数字が違ったため、表に入れていません)
- アメリカン航空のマイルでJAL便を取るときの予約開始日
- JALの燃油サーチャージの公式な金額表(公式ページを読み込めなかったため)
- 特典航空券で払う税金・空港使用料の合計の目安
まとめ|ベストな行動の順番
- Google Flightsで、帰国したい日程の現金の往復運賃を調べる
- aa.comでJAL便の空席を探す(片道35,000マイル、燃油サーチャージなし)
- JAL便がなければ、United.comでANA便の空席を探す(燃油サーチャージなし)
- 1マイルあたりの価値を計算し、1セントを下回るなら現金で買う
- 空席を確認してから、手持ちのポイントをアメリカン航空かユナイテッド航空に移し、すぐに予約する
- 行きと帰りで取れる便が違うなら、片道ずつ別のマイルで組み合わせる
- ANAのマイル(Amexから移行)は、1〜2月のローシーズンで、燃油サーチャージの総額も含めて得になるときに使う
※ 本記事は2026年9月23日時点で確認できた公開情報にもとづく整理です。ANAの必要マイル数・シーズン・燃油サーチャージはANAの公式サイト、Aeroplanの必要ポイントはエア・カナダの公式チャートで確認しました。アメリカン航空・ヴァージン アトランティックの必要マイル数、カード会社の移行先と移行率、予約開始日の一部、検索ツールの料金は専門メディアの情報(二次情報)です。特典の条件や移行先は予告なく変わるため、予約の前に各社の公式サイトで最新の情報を確認してください。
出典
- ANA「Seasonality and Required Mileage Charts for ANA International Flight Awards」:日本⇔北米の必要マイル数(2025年6月24日改定)、2026〜2028年のシーズン
- ANA「International Fuel Surcharge / Insurance Surcharge Information」:2026年5〜10月発券分の燃油サーチャージ、特典航空券にもかかること(2026年9月16日更新)
- ANA「American Express Membership Rewards」:AmexからANAへの1:1移行、名義の一致
- Air Canada「Aeroplan Flight Rewards Chart」:北米⇔太平洋の距離帯ごとの必要ポイント、提携便の予約手数料
- MileValue:アメリカン航空のマイルでのJAL便(北米⇔アジア1、片道35,000マイル)(二次情報)
- Thrifty Traveler・FlightPoints:ヴァージン アトランティックでのANA便(西海岸発片道30,000ポイント)(二次情報)
- AwardWallet:燃油サーチャージがかからないマイルの組み合わせ(二次情報)
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- LoyaltyLobby(2026年2月28日):AmexからANAへの移行の一時停止(二次情報)
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