駐在の帯同などで、日本の運転免許を持たないまま渡米する人は少なくありません。「日本で教習所に通ってから行くべきか、アメリカで取るべきか」は、行き先の州によって答えが変わります。
この記事では、2026年10月12日時点で確認できた各州の公式情報をもとに、手数料、国際免許で運転できる期間、日本の免許で試験が免除される州、州の免許への切り替えの期限をまとめます。
- まず配属先の州を確認する。判断の分かれ目は「日本の免許で試験が免除される州かどうか」
- 試験が免除されない州(CA・NY・TXなど)なら、アメリカで取るほうが安いことが多い。州の手数料は$30〜$130程度
- WA・OR・CO・MD・VA・OH・HIなどは、日本の有効な免許があれば学科・技能試験が免除される
- 国際免許で運転できるのは、上陸から最大1年。ただし州の居住者になると、もっと早く州の免許が必要になることが多い
1. 日本で取るか、アメリカで取るか
日本で教習所に通うと、数十万円かかるのが一般的です。一方、アメリカの州の手数料は$30〜$130程度で、18歳以上なら教習所に通わなくても受験できる州が多くあります。
- 試験が免除される州に行く:日本の免許を持っていけば、学科・技能試験なしで州の免許に切り替えられます。渡米直後から運転したい人には、日本で取っておく価値があります。
- 試験が免除されない州に行く:日本の免許があっても、アメリカで学科と技能の試験を受け直します。日本で取っても国際免許で運転できる期間が延びるだけなので、費用だけを考えるならアメリカで取るほうが安くなりがちです。
2. 日本の免許で試験が免除される州
日本の警察や各州の発表によると、次の州は日本との取り決めにより、日本の有効な免許を持つ人の試験を免除しています(2026年10月時点で確認できたもの)。
| 州 | 免除される試験 | 補足 |
|---|---|---|
| ワシントン(WA) | 学科・技能 | 2017年1月から。視力検査・書類・手数料は必要 |
| オレゴン(OR) | 学科・技能 | 2022年11月に署名。18歳以上の普通免許 |
| コロラド(CO) | 学科・技能 | 2023年4月から |
| メリーランド(MD) | 学科・技能 | 条件は州の運転免許の担当機関(MVA)で確認 |
| バージニア(VA) | 学科・技能 | 2020年2月から。18歳以上の普通免許。日本の運転記録証明が必要 |
| オハイオ(OH) | 学科・技能 | 2021年4月から |
| ハワイ(HI) | 学科・技能 | 条件は郡の運転免許の窓口で確認 |
| インディアナ(IN) | 技能のみ | 学科は必要 |
※ 必要な書類(免許の英訳・抜粋証明など)や条件は州ごとに違い、変わることがあります。渡米前に、州の運転免許の担当機関(DMVなど)と、管轄の日本の総領事館のページで確認してください。CA・NY・TXは、日本の免許による試験の免除はありません(TXの免除の対象国はフランス・ドイツ・韓国・UAE・台湾)。
3. 国際免許と、州の免許への切り替えの期限
日本で取った免許をもとに国際運転免許証(ジュネーブ条約)を発行してもらえば、アメリカでも運転できます。運転できる期間は、上陸した日から1年、または国際免許の有効期間のうち、短いほうです。もとの日本の免許が失効すると、国際免許も使えなくなります。
ただし、州の居住者になると、州が決めた日数以内に州の免許を取ることが求められます。この日数は1年よりずっと短いことが多いです。
| 州 | 居住者になってから州の免許を取るまで |
|---|---|
| カリフォルニア | 10日 |
| ニューヨーク・ワシントン・ジョージア・アラバマ | 30日 |
| ノースカロライナ・バージニア | 60日 |
※ 各州の運転免許の担当機関の情報をもとにした目安です。駐在など一時的な滞在者を「居住者」とみなすかどうかの扱いも州によって違うため、配属先の州のDMVで確認してください。テキサスは、外国の免許で運転できるのは入国から90日までです。
4. 州ごとの手数料
| 州 | 手数料 | 補足 |
|---|---|---|
| カリフォルニア(CA) | 申請料 $46 | 技能試験の再受験は$9 |
| テキサス(TX) | $33(有効8年) | 手数料に$1の事務手数料を含む |
| ニューヨーク(NY) | $64.25〜$67.50 | 21歳以上の普通免許。NYCの5区を含む12郡(MCTD)は$73.25〜$77.50 |
| ワシントン(WA) | $111(6年)〜$131(8年) | このほかに試験料(会場ごとに異なる)。仮免許は$35 |
5. 日本の免許がないときの流れ
- 身分証明・居住の証明などの書類を持って窓口で申請し、視力検査と学科試験を受けて仮免許(learner's permit)を取る
- 免許を持つ人の同乗で練習する
- 技能試験に合格して、免許を受け取る
- NY:学科・技能試験に加えて、5時間の講習(pre-licensing course)が必要です。外国の免許を持つ人も同じです。仮免許の有効期間は約5年です。
- WA:18歳以上は、仮免許や教習なしで学科と技能の試験を受けられます。2026年11月1日から、25歳未満で初めて免許を取る人は、無料のオンライン講習が必要です(25歳以上は不要)。
6. 費用を抑えるコツ
- 配属先の州で決める:試験が免除される州なら日本で取る価値があります。CA・NY・TXなら、日本で取っても試験は受け直しになります。
- 渡米直後の移動手段を考えておく:免許を取るまでの数週間は運転できません。ライドシェアや同僚の送迎など、最初の足を確保しておきましょう。
- 自動車保険は複数社で見積もる:アメリカでの運転歴がないと、保険料が高くなりやすいです。日本での運転歴を考慮してくれるかは保険会社によって違うので、見積もりのときに聞いてみましょう。
まとめ
- まず配属先の州が、日本の免許で試験が免除される州かを確認する
- 免除される州(WA・OR・CO・MD・VA・OH・HIなど)なら、日本で取っておく価値がある
- 免除されない州なら、アメリカで取るほうが安いことが多い
- 国際免許があっても、州の居住者になったら早めに州の免許に切り替える
※ 本記事は2026年10月12日時点で確認できた情報にもとづく整理です。手数料・必要書類・試験免除の条件は変わることがあるため、各州の運転免許の担当機関と、日本の総領事館の最新情報を確認してください。
出典
- California DMV:手数料:申請料$46、技能試験の再受験$9
- Texas DPS:手数料:$33、有効8年
- Texas DPS:転入者向けガイド:試験免除の対象国、外国の免許は90日
- New York DMV:手数料:$64.25〜$67.50、MCTD $73.25〜$77.50
- New York DMV:外国の免許を持つ人:学科・5時間講習・技能試験
- Washington DOL:手数料:$111・$131、仮免許$35
- Washington DOL:18歳以上の申請:2026年11月1日からの講習
- Washington DOL:転入者:30日以内の切り替え
- JAF:国際運転免許証:運転できる期間
- KPTV(2022年11月):オレゴン州と日本の取り決め
- North American Post(2016年):ワシントン州と日本の取り決め