Medicare Part B(外来などの医療保険)の2026年の保険料は月$202.90、年間の免責額は$283です。2027年の額は、2026年11月1日時点でCMS(連邦メディケア・メディケイドサービスセンター)が発表しておらず、今出ているのは予測だけです。
保険料は全員同じではありません。所得による上乗せ(IRMAA)、加入が遅れたときのペナルティ、低所得者向けの制度で大きく変わります。65歳前後の人と、親の手続きを手伝う人に向けて整理します。
- 2026年は月$202.90。2027年は予測で月$209.50、免責額$292(確定は11月ごろ)
- 加入が遅れると、12か月ごとに10%のペナルティが加入中ずっと続くことがある
- 所得が下がる出来事があれば、IRMAAはSSA-44で見直しを申請できる
- 日米社会保障協定の合算は、年金の話。日本の加入期間はMedicareの資格には数えられない
1. 2026年の保険料と免責額
- 標準の保険料は月$202.90(2025年は$185.00)です。
- 年間の免責額は$283(2025年は$257)です。
- 免責額を超えた分は、Original Medicareでは通常、各サービスの費用の20%が自己負担です(医療機関がMedicareの承認額をそのまま受け入れる場合)。
2. 2027年の予測とCOLA
- 2026年のTrustees Reportの予測として、月$209.50($6.60増)、免責額$292が報じられています(AARPなど)。確定値ではありません。
- 2026年分は2025年11月14日に発表されました。2027年分も11月ごろの見込みです。
- 2027年のSocial SecurityのCOLA(増額)は3.6%で、退職者の平均は月約$75の増額です。保険料の予測の増額は、これより小さい金額です。手取りの計算は「2027年の社会保障COLA」で説明しています。
3. 2026年10月の$90リベート
CMSは、Medicare Improvement Fundから、一回限りで$90のPart B保険料のリベートを2026年10月に支払っています。対象は約2,080万人です。
- 条件:Part Bに入っている、米国に住んでいる、Medicare Advantageに入っていない、Medicaidの保険料の補助を受けていない、IRMAAを払っていない。
- 受け取り方:多くの人はSSAから10月8日ごろに口座へ振り込まれます。振込先がない人には、10月中に小切手が届きます。
- 問い合わせ先:対象かどうかは1-800-MEDICARE、支払いの状況はSSAの1-800-772-1213です。
※ リベートの税金の扱いは、CMSのFAQに記載がなく、公式の説明を確認できませんでした。必要なら税の専門家に確認してください。
4. IRMAA(高所得者の上乗せ)
IRMAA(Income-Related Monthly Adjustment Amount)は、所得に応じて保険料に加わる金額です。原則として2年前の所得で判定されます(2026年の保険料なら2024年の申告)。次の表は2026年の値で、2027年の区分は未発表です。
| 個人のMAGI | 夫婦合算のMAGI | 月額の合計 | 上乗せ額 |
|---|---|---|---|
| $109,000以下 | $218,000以下 | $202.90 | なし |
| $109,000超〜$137,000 | $218,000超〜$274,000 | $284.10 | $81.20 |
| $137,000超〜$171,000 | $274,000超〜$342,000 | $405.80 | $202.90 |
| $171,000超〜$205,000 | $342,000超〜$410,000 | $527.50 | $324.60 |
| $205,000超〜$500,000未満 | $410,000超〜$750,000未満 | $649.20 | $446.30 |
| $500,000以上 | $750,000以上 | $689.90 | $487.00 |
※ 夫婦で別々に申告し、同居している場合は、$109,000以下なら上乗せなし、$109,000超〜$391,000未満は月$649.20、$391,000以上は月$689.90です。
所得が下がったら、見直しを申請できる
結婚、離婚、配偶者の死亡、退職などによる収入の減少、雇用主からの和解金の支払いといった「人生の大きな出来事」で所得が下がったときは、SSA-44でSSAに見直しを申請できます。退職した年の翌々年までIRMAAが続くのを避けられる場合があるので、対象になりそうな人は確認してください。申請にはその出来事の証明書類が必要です。
5. 加入が遅れたときのペナルティ
- 加入できたのに入らなかった12か月ごとに、標準保険料の10%が加算されます。Part Bに入っている間、通常はずっと続きます。
- 例:24か月遅れると20%増しです。2026年なら$202.90+$40.58=月$243.50です。
- 現在の仕事に基づく勤務先の保険(本人または配偶者)があれば、それを使っている間は遅らせることができ、仕事か保険が終わってから8か月以内に申し込めます。
- COBRAと退職者向けの保険は、この扱いの対象外です。従業員20人未満の会社では条件が異なります。
Social Securityの受給を繰り下げる人も、Medicareは別に申し込みます。65歳になる前後の加入期間を過ぎないように注意してください。
6. 保険料を助ける制度(MSP)
Medicare Savings Programs(MSP)は、収入と資産が少ない人の保険料などを州が負担する制度です。次の表は2026年の連邦の基準で、AlaskaとHawaiiは上限が高く、州によっても違います。申請先は州のMedicaid事務所です。
| 制度 | 月収の上限(個人/夫婦) | 資産の上限(個人/夫婦) | 負担してくれるもの |
|---|---|---|---|
| QMB | $1,350/$1,824 | $9,950/$14,910 | Part Bの保険料、免責額、自己負担。無料のPart Aがない人はPart Aの保険料も |
| SLMB | $1,616/$2,184 | $9,950/$14,910 | Part Bの保険料 |
| QI | $1,816/$2,455 | $9,950/$14,910 | Part Bの保険料(先着順、毎年申請) |
3つのどれに入っても、薬代を助けるExtra Helpの対象になります。また、Medicare.govによると、MSPに入るとPart Bの遅延ペナルティがなくなることがあります。
7. 日本に住んでいた人の注意点
- Part Aの保険料:SSAが認めるMedicare対象の就労が40クォーター(通常は約10年)以上あれば無料です。30〜39クォーターは月$311、30クォーター未満は月$565です(2026年)。
- 日米社会保障協定:協定で日米の加入期間を合算できるのは、退職・障害・遺族の年金の資格です。SSAの説明では協定の対象にMedicareは入っておらず、日本の加入期間はPart Aを無料にする条件に数えられません。
- 日本に住んでいた期間のPart B:加入できたのに入らなかった期間として、ペナルティの対象になる可能性があります。自分の場合の扱いは、加入の前にSSA(1-800-772-1213)へ確認してください。
- Medigap:Part AとPart Bの両方が必要です。一番入りやすいのは、Part Bを始めた月から6か月のオープン登録期間で、これは一度きりです。
まとめ
- 2027年の金額は11月ごろのCMSの発表で確定する。それまでの$209.50は予測
- 加入期限を逃さない。COBRAでは遅延の理由にならない
- 所得が下がる出来事があったらSSA-44、収入が少ないならMSPを確認する
- 日本の年金の加入期間は、Medicareの資格には使えない
※ 本記事は2026年11月1日時点で確認できた情報にもとづく整理です。2027年の金額は発表後に変わります。個別の加入時期とペナルティは、Medicare(1-800-MEDICARE)とSSA(1-800-772-1213)で確認してください。
出典
- CMS:2026年のMedicare Part A・Bの保険料と免責額:Part A・Part B、IRMAA
- CMS:$90リベートのFAQ
- Medicare.gov:Medicareの費用:免責額後の20%
- Medicare.gov:ペナルティを避ける
- Medicare.gov:加入できる時期:勤務先の保険、8か月、COBRA
- Medicare.gov:Medicare Savings Programs
- Medicare.gov:Medigapに入る時期
- SSA:IRMAAの見直しの申請、SSA-44
- SSA:日米社会保障協定、協定の案内(PDF)
- AARP:2027年のPart B保険料の予測